梅毒かどうかを判断する検査がある!

梅毒は昔からあるポピュラーな性病の一つです。
梅毒に罹っているかどうか検査したくて医療機関を訪れた場合、血液を少し採られます。
その血液が検査するところへ送られて、検査が行われます。
では医療機関や検査センター、保健所などでは実際にどのような検査が行われるのでしょうか。
梅毒を引き起こす病原体は、梅毒トレポネーマ(トレポネーマ・パリダム、略してTP)と呼ばれる細菌のようなごく小さならせん状をした生物で、当然、肉眼では見えません。
梅毒に感染すると、体の中でこのトレポネーマに対する抗体が産生されるので、血液の中にあるこの抗体を検出する事によって梅毒にかかっているかどうかがわかります。
梅毒の検査法は使われる抗原によって大きく2つに分けられます。

一つはSTS法といって、使う抗原はカルジオリピンという脂質の一種です。
梅毒にかかると、患者さんの血液の中にトレポネーマそのものに対する抗体だけでなく、カルジオリピンに対する抗体も同時に産生されるので、カルジオリピンを抗原として梅毒血清反応を利用し、抗体が検出されれば陽性という結果になります。
STS法の中には、RPRカード法、ガラス板法、緒方法等という名前の検査法が含まれます。

もう一つは、梅毒トレポネーマ(TP)そのものを抗原として使った検査法で、TP抗原法と呼ばれます。
TP抗原法の中には、TPHA法、FTA-ABS法といった方法が含まれます。
STS法は感度が高いため、梅毒以外の病気や妊娠などでも陽性に出る事があります。
STS法で陽性であった場合には確認のために必ずTP抗原法が行われますが、STS法に加えてTP抗原法も陽性であった場合にはじめて梅毒の診断がされることになります。
STS法のみ陽性で、TP抗原法は陰性であった場合は、生物学的偽陽性反応と言って、梅毒トレポネーマが体内に無いにもかかわらず、非特異性の反応によって陽性と出る場合であり、この場合は梅毒の診断とはなりません。

もしも血液検査により、梅毒を早期発見できた場合、治療すれば完治できます。
検査の費用は方法によって異なるのが普通です。
保健所でも血液検査を実施しており、匿名で受けられ、しかも費用がかかりません。
梅毒検査で注意したい事があります。
それは感染してから3週間以内に検査した場合、感染していても陽性にならない点です。
感染を疑わせる機会があって、しかもこの時期に検査を受けて陰性に出た場合は3週間経ってから再度検査を受ける事をお勧めします。

厚生労働省の性病予防啓発ポスターはセーラームーン

平成22年頃から梅毒は増え続けています。
平成27年と28年の特徴として女性の感染者が急増したことがあげられます。
27年には患者全体の4分の1であった女性の割合は、28年には3分の1にまで増えています。
絶対数においても過去5年間で4倍に増えています。

女性の患者数は20から40歳で多く、10代から20代の若年層では女性の占める割合が高くなっています。
この状況を受けて、厚生労働省では、若い世代の女性層に焦点をあてた、早期発見のための検査のキャンペーンに乗り出しました。
性病に対する予防啓発のためのポスターおよびリーフレットがそれで、美少女戦士セーラームーンをキャラクターに使っています。
リーフレットの裏には梅毒および他の4種類の性病の説明が掲載され、梅毒のところには近年増え続ける感染者数とその中の女性の割合の情報について載せており、最も訴えたい感染者の増加への危機感を高めるような工夫がなされています。
性感染症の相談窓口の情報も記されています。

美少女戦士セーラームーンは、感染者が多い20から40歳代の女性が子供の頃に人気のアニメキャラクターで、その世代の多くの女性たちにとってヒロイン的な存在でした。
月に腰掛けたセーラームーンが「検査しないとおしおきよ」と告げているもので、アニメの原作者の武内直子さんも厚生労働省からの申し出を快諾され、セーラームーンの声がファンや皆様に理解され、検査に結びつくことで、多くの方がより健康に過ごせることを願っている、とメッセージを寄せられています。
このポスター、リーフレットは全国の自治体や関連学会などに配布され、予防啓発活動に使われています。
これらは2016年11月26日から12月1日までの「性の健康週間」に合わせた企画として実施されたものですが、現在も厚生労働省のウエブサイトからダウンロードできるようになっています。